ノルウェー残留記 ~リスク物語~

おはようございます。現在世界的に流行しているコロナウイルスに負けじとすDoNA-Emonです。外出自粛の中、生物学(と物理学)とスマブラでぬくぬくとしています。まあなんとかストレスレスに生きてはいますが、旅に行けないのはキッツイですね。

 

執筆現在(2020/03/29)、全世界日本国外務省による感染症危険情報レベルが2以上、欧州の大半では3となっており、元の大学の指示などで留学を切り上げて帰国する留学生の方が多くいらしてます。そんな中、流れに乗らずに結局ノルウェーに残る事にした理由を語ろうかと思います。

 

 

 

 

1. ノルウェーでのコロナ感染状況

執筆現在では、ノルウェー公衆保健研究所(FHI)の発表によれば、ノルウェーでの累計感染者は4102人とやはり人口比の意味でも絶対的な値の意味でも多くなりますが(ノルウェーの人口はざっと530万人。国土に反して少ない!)、死者は22人、死亡率は0.536%と、他の欧州や日本などに比べてもかなり低いです。世界最高峰の福祉国家の肩書に恥じない体制の優れっぷりですね。また、新規感染者の増え方についても、他の国が急速に増加するところもある中、依然200人/日台と比較的緩やかなのも特徴です(3月の前半よりはペースは増えましたが)。

 

ここであまり詳細綴るにもアレなので、ほんとに細かいところまで知りたい人はWikiなり下記ページなりで各自調べてください。 あしからず。

 

www.worldometers.info

 

2. ノルウェーのコロナ対策と現状

現在、以下のような対策が4月13日まで継続される模様です。

国境管理に関しては、

A. 就労や滞在許可などを取得していない観光客などの外国人の入国拒否(半ば国境閉鎖)

B. 任意の外国から戻ってきた場合、14日間自宅隔離

C. シェンゲン圏内の国境審査導入

 

民間生活や教育に関しては、

D. 間隔1mを空けられない飲食店は営業停止

E. ビュッフェ形式停止、テイクアウトは継続

F. 免許発行所などの一部の公共施設や理髪店、マッサージ店やジムなどは閉鎖

G. 5人以上の集会など禁止

H. 公共交通機関(トラムや市バスなど)は平常通り

I. スーパーマーケットは平常通り。

J. 大学などの教育機関閉鎖

etc......

 

特にスーパーに関しては、トイレットペーパーや食品の在庫は現在かなり余裕があり、最低限の生活を送る分には特段苦労はしません。

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トイレットペーパーも抜かりなし

また、他人との距離を1mは開けることが推奨され、レジでは客と店員との間にガラスバリケードが敷かれてたりします。カード使用を促されもいたり。

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1mという距離の間隔表示

また、現在住む寮に関しては、寮の入り口はランドリールーム内にアルコール消毒器が置かれており、一応なりともケアはされています。

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アルコール消毒器

 

オスロ大学に関しては、対面授業は全て中止され、 オンラインに移行しました。5月末から6月頭にかけて行われる期末試験についてもまだどうなるかはわかりません。しかし、学業自体は継続できており、なんとか完全ニート生活は免れています。

 

 

 

 

 

 

 

とは言いつつも、外出は極端に厳しくは取り締まられてはおらず、ランニングしてる人や公園でごく少人数で遊んでる人たちも見られ、極端な危機感はそれほど感じられません。まあ周回とかまではやってないし別にいいんですがね。

 

 

3. 金銭的・感染リスク的問題

これが今回の一番の問題です。

現在僕が奨学金を受けているJASSOの方針が最近になって変更され、オスロ大学の学業が続いてることもあり、奨学金これまでどおり継続されることがほぼほぼ確定しました。やったぜ。ノルウェーも上記の通りで状況はそれほど悪くはありませんし、住居に関しても、寮費5万4千円ほど支払ってしまえば4月分のは困らないわけです。

 

一方、日本に一時であれ留学切り上げであれ帰国するとなると、空港バスなどを含む公共交通機関が使えないため、ノルウェーから帰国した日本人には空港近くのホテルか(レンタカーや自家用車で)自宅で14日間の待機が要請されるため、以下の費用が発生します。

 

A. 航空券代

B. ホテル代(14泊分)

 

額はそれぞれで10万円は下らないと見て、最低でも計20万円はかかると言えます。ノルウェーの寮費に比べるととんでもねえ額です。もし親に迎えに来てもらうとしても、やはり安くはいかない航空券代は回避できない上、空港が限られる場合も多々あります。さらにウイルスを余計に広めるリスクもあります(親の年齢のこともあるので)。そもそも、予約フライトが予定通り出発するとも限らないので、何かとリスクは大きいです。

もしホテルを使うにしても、日本政府からのフォローは一切なし。本帰国の場合は奨学金もなし。費用がデカスンギ。

 

金銭的問題は概ね以上ですが、感染リスク的問題もまだあります。大学の指示などの理由で帰国する留学生が大勢いることもあって、日本でこれから感染者が再び大きく増えゆく、所謂第二波も予想されます。そんな中でわざわざ帰国するのも半ば飛んで火にいる虫と化しかねないわけです。

 

 

まとめ

現在でも人口相対的にも絶対的にも日本よりノルウェーの方が感染者は多いですが、ノルウェーは他の欧州と比べても状況はそこまで深刻でなく、生活する分には特段大きなリスクはありません。奨学金も継続されるので、経済的負担も今まで通りです。一方で、日本に戻る場合、留学生活経験を手放してしまうばかりか、かえって罹患してしまうリスクもあります。それに、リターンの不透明なくせに高くつく航空券代などもあって、コストーベネフィットがあまりに釣り合っていません。

そんなわけで結局ノルウェーに残る事にしました。大学も閉鎖されてしまったしでせっかくの留学生活が... と少し思いもしますが、これほどの世界的な危機状況の中、自国日本でなく海外で生活を送ることができると前向きに捉える次第です。

 

 

ここまで読んでくださり、誠にありがとうございますm(_ _)m

 

DoNA-Emon